大きくなると家を借りられないヤドカリ

🕒 2026.08.31
ヤシガニ

前回に引き続き、今回もヤシガニについてのお話です。実はヤシガニ、子供の間はヤドカリやってます。

ヤシガニの生活史

ヤシガニ

ヤシガニ Birgus latro は、5月から9月に陸地で交尾を行い、交尾後すぐ巣穴や岩の割れ目などで産卵します。ただし、卵は産み落とさず腹部の下部に数カ月間抱きかかえます。10月から11月頃、卵が孵化するとメスは海に幼生を放出します。特に満潮時によく放出します。成体である親は水中での歩行は苦手で、水中で呼吸することもできないため、波にさらわれないように注意しながら子を放ちます。

幼生は1ヶ月弱プランクトンとして浮遊後、海底に定着し、ヤドカリと同様に他の腹足類の殻を身に着けて海岸線に移動します。上陸すると、水中で呼吸する能力は失います。孵化後5年で性成熟し、寿命は40-60年ほどもあります。成体は、毎年脱皮して大きくなります。

日中は巣穴や岩の割れ目などに隠れ、主に夜間に活動します。沖縄では、4月から11月頃には地上で活動しているものがみられますが、冬季には巣穴などに潜んでいると考えられ、地上で姿をみることはほとんどありません。

ヤドカリの仲間なのに殻を持たないヤシガニ

ヤシガニ

ヤドカリといえば、巻貝の貝殻を借りて生きる生物ですが、ヤシガニは、大きくなると殻を借りることをやめます。成体は、腹部を頭胸部の下に丸め込んだ形になっており、柔らかい部分を守っています。貝殻に入ることをやめることにより、近縁のオカヤドカリ属の種よりも随分大きく成長することができるようになったと考えられています。

後ろにもあるハサミ

ヤシガニ

ヤシガニの脚は、一番前にあるハサミを第1脚として後ろ側へ4脚までは見えますが、第5脚は甲羅の中に収まっていて外側からみえません。第5脚は、メスでは卵の世話、オスでは交尾の際に使用されたり、呼吸器官を洗浄したりするのに使われます。

外から見える一番後ろの脚である第4脚は、ハサミのような形になっています。腹足類の貝殻に入っている幼体の頃は、このハサミを使って貝殻を固定します。このような特殊な第4脚は、同様に貝類の殻を背負う他のヤドカリの仲間でも見られます。ヤシガニでは、成体になってからは歩行や木に登る時の補助に使います。

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#生態 #甲殻類