キラキラの脱皮殻
石垣島の海岸近くにあった御嶽の階段で、キラキラ光る青いものを見つけました。ナナホシキンカメムシの幼体の脱皮殻です。
ナナホシキンカメムシとは?

ナナホシキンカメムシ Calliphara exellens は、カメムシ目キンカメムシ科の大きさ1.8cmから2cmほどの昆虫です。東南アジア一帯に分布し、国内では奄美大島以南の南西諸島に分布します。オオバギ、アカメガシワ、カンコノキなどから吸汁します。葉の裏面に集団を作ることが多いです。
私は、石垣島の森林で、雨の夜に葉の後ろでじっとしているものを見つけました。近づいたところ、あっという間に翅を広げて逃げられてしまいました。こう見えても非常に軽やかな身のこなしです。
幼虫も金属光沢があるナナホシキンカメムシ

完全変態をする甲虫などとは異なり、カメムシの仲間は幼虫と成虫で食性や生活場所が大きく変わらず、同じ植物上で生活することも少なくありません。そのため、親が金属光沢を持っていれば、その金属光沢が生殖行動に影響するものでない限り、幼虫に関しても金属光沢をもつことに親と同様の生態的意義がある可能性が高いです。実際に、ナナホシキンカメムシは幼虫も金属光沢をもちます。
ちなみに、ナナホシキンカメムシは、卵からの孵化直後は鮮やかなオレンジ色で、その後半日で黒っぽい体にオレンジのラインが体の両脇に入った柄になります。数日後に脱皮して2齢幼虫になり、2齢幼虫からは金属光沢をもちます。
金属光沢のある脱皮殻

金属光沢のある生き物は昆虫の世界ではそれほど珍しくありません。しかし、金属光沢をもつ昆虫の多くは、成虫のステージにおいてです。例えば、金属光沢をもつ種が多い甲虫の仲間は、幼虫の間はイモムシのような姿であることが多く、多くの場合光沢はありません。チョウやハチ、ハエの仲間にも金属光沢のあるものはいますが、やはり幼虫は金属光沢がないイモムシです。トンボの成虫にも金属光沢のあるものがいますが、金属光沢のあるヤゴは知る限り居ません。つまり、幼虫・幼体も成虫も顕著な金属光沢のある昆虫は、カメムシ以外にはほとんどいないのです。金属光沢のある脱皮殻、なかなか貴重かもしれません。