手水鉢でクネクネしていたオナガウジ
しばらく放置されていた手水鉢で、白い蠢く生き物を見つけました。
オナガウジとは?

見つけたのはオナガウジです。オナガウジは特定の種を指す名称ではなく、ハナアブ科の幼虫の中で、オオハナアブやアシブトハナアブのように尾をもつものの総称です。それらの成虫は、ハナアブという名前の通り、花によく訪れます。

オナガウジは、有機物の溜まった止水に生息し、腐植物を食べます。かなり有機物が豊富な水、つまり汚いとされる水中に生息できるため、生活排水が流れ込む淀みや下水溝などにも生息します。
水面をクネクネ動くオナガウジ
見つけたオナガウジは、サクラの木の下に置いてあった手水鉢の中に居ました。手水鉢の水は、茶色く濁っており、水からは若干腐った臭いもしていました。サクラの葉や花などが沈んで腐ったと思われます。この手水鉢では、それらの有機物がオナガウジにとって絶好の餌資源になっていると考えられます。

オナガウジは水面に浮かんでクネクネ動いているか、手水鉢の側面にくっついているかのどちらかで、水中を泳いでいるものは見当たりませんでした。水面に浮かんでいるものは、しきりにくねくねと動き回っていましたが、あまり進行方向は定まらない感じで、どこかに向かってまっすぐ移動する能力はないように見受けられました。また、木の棒でつついてみると、逃げる素振りを見せることもなく、少しの間だけ動きを止めました。水面にいる時は、鳥などの動きの速い生き物に狙われるとひとたまりもないと考えられます。
水中にいるオナガウジ

オナガウジの尾について、水面にいる間はなんの役にも立っていなさそうでしたが、手水鉢の側面にくっついた個体はちゃんと使っているようでした。どの個体も、体長の1.5倍ほどある尾をピンと伸ばして水面に尾の先を出していました。オナガウジの尾は呼吸管で、これを使うことによって水中でも空気を体内に取り入れることができます。動きが鈍いオナガウジは、この尾のおかげで水面に出ずに済みます。これによって、水上からの捕食のリスクが低減されるものと考えられます。