ゼンマイを食べるハチ
ゼンマイは、ヒトにも人気のある山菜の一つですが、昆虫の中にもゼンマイを食べる生き物がいます。今回は、ゼンマイハバチについてのお話です。
ゼンマイハバチとは?

ゼンマイハバチ Strongylogaster osmundae はハチ目ハバチ科の昆虫です。成虫は黒色で、体長約10mmほどです。幼虫は20mmほどで、ゼンマイの葉を食べることが知られています。被子植物を食べる昆虫に比べ、シダ植物を食べるものは少なく、昆虫の中では変わったものを食べる種と言えます。
ハバチとは?

植物の葉を食べているイモムシを見つけたら、チョウかガになるんだろうなと思う人が大半かもしれません。しかし実際はそうとも限りません。ハバチの仲間の幼虫は、チョウ目の幼虫と似ていますが、成虫になるとハチの姿になります。
ハバチ・キバチ類(キバチ類は幼虫が木材を食べるグループ)は、日本に800種ほど知られており、その多くが植物を食べます。ハチの仲間というと針を持っていて、場合によってはその針で敵を刺すというイメージがあるかと思いますが、それはハチ目の中の有剣類と呼ばれるグループに属するものだけで、全体の3割程度です。ハチ目は、アオムシコマユバチのような寄生蜂が5割以上を占め、残りの2割弱がキバチ・ハバチ類です。ハバチ・キバチ類はハチ目の中でも比較的初期に分岐したグループと考えられています。ハチの仲間は、こうした植物食性の祖先から進化し、その後、寄生蜂や有剣類が分化したと考えられています(参考:https://biome-app.com/9773)。
ゼンマイの葉をたべていたゼンマイハバチの幼虫

5月初旬、ゼンマイの葉にゼンマイハバチがたくさんついていました。まだ食べられていない葉がたくさんあるにも関わらず、一番美味しいところを選んで食べたらそうなったのか、集まって食べること自体に意味があるのか、一箇所に複数匹が集まり、かなり密集した状態で葉を食べていました。

つついてみると、お尻を上に上げた状態で動きを止めました。特にお尻を振るわけでもなく、下に落ちるわけでもなく、とても地味な反応でした。