青い姿の乙女、ルリボシカミキリ
子供の頃に図鑑で知って以来、見てみたいもんだと思っていた美しいカミキリにやっと出会えました。
ルリボシカミキリとは?

ルリボシカミキリ Rosalia batesi は、コウチュウ目カミキリムシ科ルリボシカミキリ属の昆虫です。属名のRosaliaは、欧州の女性名で、可憐な乙女のイメージから名付けられたと言われています。ルリボシカミキリの美しい青い色は、死んでから紫外線にさらされる続けると赤褐色に変色してしまいます。そのため、自然環境下では生きている間だけの美しさです。
日本固有種で北海道から九州に分布します。ブナやナラ、クルミなどの広葉樹が生育する雑木林に生息します。もともとは、山地のブナ帯が主な生息地とされてきましたが、近年、西日本では、より標高の低い地域に生息域が拡大しているといわれています。
ルリボシカミキリの生態

幼虫は、ブナ科やクルミ科の枯死した材を食べます。生息条件によって、1-3年で成虫になります。成虫は6月から9月頃に出現し、昼間に活動して植物の花粉や果実、樹液を食べます。成虫越冬はせずに秋頃に死にます。卵は、倒木や立ち枯れで枯死した樹木や、伐採された樹木の広葉樹の材、特にブナ科とクルミ科の樹木に好んで産み付けられます。そのため、伐採木を集めて放置してある場所や薪用に材木を置いてある場所などで卵を生みに来た成虫がよく見つかります。このように、ルリボシカミキリは、森林の生態系において、枯死した樹木をまた植物が利用できる形に戻す分解者としての役割があります。
ルリボシカミキリの人への影響

ゴマダラカミキリやクビアカツヤカミキリなどのように幼虫が生きた樹木の材を食べる種は、寄主の樹木に対する影響が問題になりますが、ルリボシカミキリの幼虫は枯死した樹木の材を食べるため生きた樹木に害を与えることはありません。一方で、ルリボシカミキリは、幸いにも、よく建材として使われるヒノキやスギなど針葉樹の材は食べませんが、伐採された広葉樹の材は食べます。そのため、ハンノキやムクノキなどの広葉樹の材が使われた建築物や家具などを食い荒らすことがあるようです。
実際に見つけたルリボシカミキリの様子

標高1377mの伊吹山の山頂近くでシモツケソウの花にルリボシカミキリがとまっていました。他の場所では、一匹見られただけですが、なぜかその場所では、3匹がかなり近い場所に集まっていました。シモツケソウの上を活発に動き回っていましたが、重い体で草本の葉の上を歩き回るのはあまり得意ではないようで、何度も落下しては登ることを繰り返していました。しばらくすると3匹中2匹が飛んでどこかに行きました。