サステナブルなヒメスズメバチ
ハチがハチの巣を襲うというと、決死の攻防を想像しますが、ヒメスズメバチに襲われているアシナガバチは、どこか切なさすら感じる諦めモードでした。
攻撃される巣をただ見守るセグロアシナガバチ

6月中旬、ヒメスズメバチに攻撃されているセグロアシナガバチの巣を見つけました。巣の多きさは、直径7cmほどで、まだ、巣を作り始めてそれほどたっておらず、育房数は約20個、成虫も観察中に2匹しか現れない、まだ小さな巣でした。

ヒメスズメバチが巣を攻撃している最中に、セグロアシナガバチの成虫が帰って来ました。

しかし、セグロアシナガバチは、ヒメスズメバチを全く攻撃することもなく、せっせと餌を運び世話をしてきた幼虫が目の前で巣から引きずり出され、連れ去られていくのを20cmくらい離れたところから、ただただ見守っていました。まさに、成すすべなしといった感じでした。
持続可能な攻撃を加えるヒメスズメバチ

ヒメスズメバチとしては、せっかく見つけたアシナガバチの巣は末永く使えた方が、次々と巣を探す手間が省けます。ヒメスズメバチは、オオスズメバチなど他のスズメバチと異なり、単独で巣を攻撃することが多く、攻撃した巣に壊滅的な被害を与えることが少ないと言われています。アシナガバチが巣を放棄しない程度に幼虫や蛹をさらっていき、度々同じ巣を襲いにくるようです。そのため、ヒメスズメバチに巣を見つけられてしまったアシナガバチは、ヒメスズメバチと細く長くのお付き合いをする羽目になるようです。

ヒメスズメバチ活動圏内に存在するアシナガバチの巣の数には限りがあります。そのため、襲撃のたびに巣へ壊滅的な被害を与えてしまうと、やがて利用できる巣が周辺からなくなり、安定した餌の確保が難しくなる可能性があります。
自らの存続のために細々と。持続可能性がテーマの時代に生きるヒトも見習うべきところがあるかもしれません。