偏食家のヒメスズメバチ
スズメバチといえばいろいろな昆虫を狩ることが知られていますが、ヒメスズメバチはなんとアシナガバチしか狩りません。
ヒメスズメバチとは?

ヒメスズメバチ Vespa ducalisx は、スズメバチ科スズメバチ属のカリバチです。働き蜂は25-33mm、女王バチは32-35mmと、日本に生息するスズメバチの中では、オオスズメバチに次いで二番目に大きなスズメバチです。同じスズメバチ属のオオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチに比べると見かけることが少ない印象です。尾部が黒いため、他のスズメバチと見分けやすいです。

ヒメスズメバチは、体が大きく羽音も大きいですが、スズメバチの中では、最もおとなしいといわれます。巣は、樹洞や土の中など閉鎖された空間に作り、働き蜂の数は数十匹程度であることが多く、巣の規模はスズメバチの中では最小です。インド、タイ、ベトナム、中国、台湾、ロシア、朝鮮半島などに分布し、国内では、本州から九州に生息します。
アシナガバチの仲間を食べる

ヒメスズメバチは、アシナガバチの仲間の巣を襲い、幼虫や蛹を狩ることで知られています。アシナガバチの成虫を狩ることはありません。他のスズメバチの多くも昆虫を狩りますが、獲物の種類は幅広く、ヒメスズメバチのように特定のハチ類の巣を専門的に利用する種は珍しいです。また、一般的なスズメバチは、捕らえた獲物を肉団子にして幼虫に与えますが、ヒメスズメバチは、獲物を噛み砕いて液状にし、嗉嚢に溜めたものを幼虫に与えます。

成虫は、他のスズメバチと同様、蜜へのアクセスが容易な花に訪れたり、樹液に集まる姿がよく観察されます。
次回は、ヒメスズメバチが実際にアシナガバチの巣を襲う様子についてお話します。