クモの巣の白いぐちゃぐちゃには意味がある

🕒 2021.09.30
ナガコガネグモ

クモの巣をよく見てみると、白い帯状の模様が入っているものがあることに気づきます。この白い帯はクモが網を作るのを失敗したのではなく、わざと作ったものです。クモはただ、たまたま近くを通った獲物が引っかかるのを待っているだけではないのです。

クモの巣の白帯とは?

ナガコガネグモ

ナガコガネグモの白帯

クモの巣の白帯とは、クモの巣についている飾りのことで、X字状、ジグサグ状、直線状、渦巻状、円板状など様々な形のものがあります。白帯の形は必ずしも種によって決まっているわけではなく、同じ個体が日によって別の形の白帯を作ることもあれば、成長に伴って白帯の形が変わる種もいます。白帯は、紫外光を反射するという特徴を持っています。

白帯の役割

白帯は、昔は、クモが隠れるために作っていると考えられており、隠れ帯という名がつけられていましたが、近年、その他にも役割があることがわかってきています。

餌をおびき寄せる。

白帯が有る網と無い網では、有る網の方に獲物がよく飛んでいくことが報告されています。また、網を照らす光から紫外光を取り除くと、そのような傾向が見られなくなることもわかっており、白帯が紫外線をよく反射するという特性は、獲物をおびき寄せるためにあると考えられています。X字状の白帯は、獲物にとって紫外線を反射する4つの花弁を持った花のように見えている可能性があります。

捕食者から身を守る。

オオモンクロクモバチ

オオモンクロクモバチ

クモバチというハチの仲間はクモを捕食します。クモバチに捕食されるリスクがあるクモの中には、クモバチの羽音と同じ周波数の音叉を聞かせると、網から飛び降りたり、前足を高く上げたりして対捕食者行動をとるものがいます。これらのクモは、音叉の振動により天敵が近くにいると勘違いしていると考えられます。このような行動を示すクモの一種、サガオニグモに音叉の音を高頻度で聞かせると、音叉の音を聞かされた個体は聞かされていない個体に比べて、1.5倍の面積の大きな白帯を作ることが明らかになっています。このことから白帯はクモバチによる捕食を回避するのに重要な役割を果たすものと考えられます。メカニズムとしては、目立つ大きな白帯によって、クモバチがクモの居場所を見つけにくくなるという可能性が挙げられています。

【参考文献】
中田兼介, まちぶせるクモ 網上の10秒間の攻防, 共立出版, 2017

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